外国人の患者のために看護師の語学力

MENU

外国人患者のための看護師の語学力

以前、勤めていた公立病院では、土地柄、外国の方が多く来院されていました。
入院となる方は多くはなかったのですが、それでも数年に一度は外国の方が入院されます。
当時、病棟には英語が堪能な看護師はいなかったので、英語しか判らない患者様が入院となると、ちょっとしたパニックになっていました。入院される日までに、使う可能性のある英会話くらいは覚えておこうと英語辞書と格闘したりして、まさに泥縄式英会話大作戦です。いざとなったらドクターに頼るつもりにしていたのですが、実際は英会話が苦手なドクターも珍しくなくてあてが外れる事もしばしばでした。
そんな中で、忘れられない患者様がいらっしゃいました。

 

宣教師の奥さまだったと思います。金髪のショートヘアで小柄な愛らしい奥さまでした。
来日してまもなく病気が見つかってとても不安そうに見えました。日本語は全く判らないとの事で入院当日だけは通訳の方もいらしたのですが、翌日からは1人きり。個室で静かに本を読んで過ごしていらっしゃいました。
私達は一生懸命覚えた英語で挨拶を交わし、片言の英語と身ぶり手ぶりで意思の疎通を図っていたのですが、そのうちに奥さまも少しずつ日本語を覚えてくださって「おはようござんす」「ありがとござんす」と話しかけてくださるのを嬉しく感じていました。やがて治療も終わり、退院される時には凄く寂しかったのを覚えています。

 

その後数年経って放射線部へ手伝いに行った時、放射線部の技師さん達が外国の方を相手に大変な思いをしていた事を知りました。
操作室の棚にずっしりと重い手作りカードの束があったからです。

 

英語、中国語、韓国語、ロシア語、ポルトガル語。それぞれに「中に入ってください」「これに着替えてください」「息を止めてください」「終わりました」等々レントゲン撮影に必要な言葉が全て網羅されているようでした。

 

実際、外国の方の撮影は私が思っているよりはるかに多かったようで、しかも緊急の事が多いので通訳の方もいない事が多いので苦肉の策だったようです。なので、技師さん達の方が私達より外国の方に慣れているようでした。ドクターの中には海外からの留学生も多かったので彼らにアドバイスを貰ったとか。

 

いまや時代はインターナショナルですから英会話は必須になっていくのでしょうね。たとえ留学予定がなくても英語が必要な状況はいつ訪れるか判りません。「備えあれば憂いなし」

 

それに外国の方が入院されていた時、自分の英語が通じた時って嬉しいものです。
一度だけ、「貴方の英語は判りやすい」と言われて嬉しかった事があります。あれからも英語を勉強していれば今頃はペラペラだったんじゃないかなと思う今日この頃です。