精神病と家族の思い

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精神病と家族の思い

入院中の患者さまやご家族が民間療法やら信仰に嵌っちゃって協力を求められて困惑した経験ってありませんか?私、結構あるんです。
家族が病気になったら家族は誰しも不安に思うものですよね。それが難しい病気であれば尚更だとは思いますけど。
ご家族が有名な霊水を汲んで来てご本人に飲ませるなんてのは珍しくありませんし、衛生面に問題がなければ特に問題視はしませんでした。民間療法は主治医の許可が出る範囲ならOKという事もあるのですけど、厄介なのが宗教がらみ。こういうのって、特に精神科に入院された患者さまの家族に多かった気がします。まさか「祟り扱い」された訳では無いのでしょうけど。もう随分前の話ですし、宗派も定かでは無いのですが、こんな要望をするご家族がいらっしゃいました。明日の午後何時から何時までの間、祈祷して貰うので、その時間は患者さまにお札を持たせてどこどこの方角に向かって跪かせてください。とか、3日間は水を触らせないでください。とか。ご家族はその宗教を完全に信じていらっしゃるようで、できない事をいくら説明してもなかなか聞き入れて頂けず苦労しました。最終的には主治医から断って貰いました。入院中の患者さまに日常生活指導をする立場でそれを壊すような非日常的な事を特定の患者さまに強制する事はできませんから。
ご家族のお気持ちももちろん判ります。なんでこんな病気になったのか、もう、治らないのか。何が悪かったのかと毎日辛かったと思いますし、藁にもすがる思いだったのだとお察しします。そこに付け込んだのかどうかは判りませんが宗教がらみの人生相談って怖いなと思いました。もちろん、全ての宗教がそうだという話ではありませんが。
ある若い統合失調症の女の子は入院する前に家族からある宗教団体へ入信させられたようで妄想の中に宗教的な言葉が多く聞かれていて彼女の中に宗教が捻じれた状態で存在している事が判りました。そのせいか、私自身は宗教関係の話は嫌いで家の菩提寺以外の宗教関係の話は一切聞かない事に決めています。これも極端なのかもしれませんが。
子供が小さい頃、ママ友から宗教の勧誘を受けた事があって、宗教関係で嫌な思いをしたので、そういうのは聞かない事にしていると答えたら「看護師さんの入信って結構多いのよ」って言われた事がありました。毎日、たくさんの命に向き合っている仕事ですから、宗教に救いを求めるというのもあるのでしょうね。人を救う宗教はたくさんありますが、中には弱者を食い物にしている、宗教とは呼べない物もあったのかもしれません。
弱っている時にはそれを見分けるのも難しいんだろうな。